ものとこころの環境整備

神戸生まれの神戸育ち。 二十数年前から図らずも明石市在住になるも、 神戸からなかなか離れられません。 ものの環境整備から、こころの環境整備まで、徒然に書いていきたいと思います。 そして、趣味の神社仏閣めぐりのことなど。

郷愁

新しいものと古いもの

二十数年前、私がこの町に来た時、七十歳前後の
おじいさんが、一人で店番している店があった。
そのお店は、作業服とか軍手とかタオルとかの繊維ものを売っているようだった。
ようだった、というのは、一度もその店に入ったことがなかったから。



ご近所さんなので、こちらがどこかへ行く時は、ほぼ前を通る。
お店というよりは、入口のシャッターを開けただけの開けっぱなしの倉庫みたいな感じだった。
冬は寒そうだなと思ったし、逆に夏は暑そうだなと思って、前を通りすぎていた。

前を通るけれど、お客さんらしい人がお店に入っているのはあんまり見たことがなかった。
軍手を買う時、このおじいさんのお店で買って見ようかなと思ってみたけど、一度も買ったことは結局無かった。

時々お休みなのかシャッターが閉まっている日があって、今日はお休みなんだと思っていた。
しばらくして、ずっとシャッターが閉まっている日が続いていて、気がつくともう何ヵ月か経っていた。
あのおじいさんが病気かなんかになったんだろうかなと勝手に考えていた。

それから、何年経ったのか覚えていない。
前を通る時、なんとなく時々思い出す。
でも、建物は確実に劣化していっていて、月日の経過を感じていた。

1週間前、急にその建物の解体が始まった。
初日にその前を通った時、十数年振りに中が見えていて、ほとんどあのおじいさんが店番をしていた時のまま、物が置かれているのが見えた。
おじいさんがお店を継続できなくなったのは、急なことだったことに気がついた。

解体される建物は、人がいなくなって劣化が進み、誰も住みたくないような代物になっていた。
階段とかそんなものが、順番にむき出しになっていく。

でもどうなんだろう。
多分この建物の持ち主だったおじいさんが、この建物を初めて建てた時。
その時の最新だったはずじゃあないのかな。
今から見たら古い押入れとかも。
おじいさんもきっとわくわくしたと思う。
真新しい畳のい草の匂いとか。
木材の匂いとか。

解体されている建物を見ると、いつもそんな郷愁にとらわれる。
新しいものと古いもの。
この世にあるものが、いつかはみんな古くなってしまうこと。
< 2018年02月 >
S M T W T F S
        1 2 3
4 5 6 7 8 9 10
11 12 13 14 15 16 17
18 19 20 21 22 23 24
25 26 27 28      
最近のコメント
QRコード
QRCODE
※カテゴリー別のRSSです

アクセスカウンタ
読者登録
メールアドレスを入力して登録する事で、このブログの新着エントリーをメールでお届けいたします。解除は→こちら
現在の読者数 0人
プロフィール
KANKYOUSEIBILOVE・KAZUMI
KANKYOUSEIBILOVE・KAZUMI
神戸生まれの神戸育ち。
二十数年前から図らずも明石市在住になるも、
神戸れられません。
ものの環境整備から、こころの環境整備まで、徒然に書いていきたいと思います。
そして、趣味の神社仏閣めぐりのことなど。